昭和51年3月6日の郵政省電波監理局長通達「高層建築物による受信障害解消についての指導要綱」を受け、各自治体では条例や指導要綱等で中高層建築物の建築にあたりテレビ受信障害の調査予測を義務付けています。
これらの規定は、デジタル放送へ移行後も引き続き効力を有しています。デジタル放送でも新しく建造物が建つ場合は、電波の受信状況や建造物の規模、更に周りの建物の状況や地形など周辺の環境により受信障害が発生する場合があります。受信障害が発生する地域では、テレビがまったく見えなくなるなど、著しく視聴が困難な状況になるため、建造物を建設する前に受信障害調査予測することが重要になります。
多くの自治体では、中高層建築物の建築に係る紛争の予防および調整に関する条例等による規則により、建造物の建設に先だって、中高層建築物によるテレビジョン放送の電波受信障害に関する調査報告書(以下「建造物によるテレビ受信障害調査報告書」という。)の提出が義務付けられています。また、自治体が公共建造物の建設工事の発注にあたり多くの場合、「建造物によるテレビ受信障害調査報告書」を提出するよう仕様書の中に規定されています。
また、「建造物によるテレビ受信障害調査報告書」の提出にあたり、(一社)日本CATV技術協会が認定した受信調査に関する資格を有した専門の技術者による適切なテレビ受信障害調査の実施が求められます。
自治体では、中高層建造物の建築に伴う「日照、電波障害、騒音」等の環境問題に対処するため、条例を制定し紛争処理の規定を定めています。条例では、紛争処理の対象の環境問題を指定するとともにその紛争の処理手続きを中心に定めていて、電波障害の具体的な調査予測方法等については、条例の施行規則や指導要綱といった下位レベルの法令や環境基準に関する条例等で規定されているのが通例です。
東京都では、「中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例)」で電波障害を調整を要する対象と定めています。また、電波障害については「環境影響評価条例」に基づく「環境影響評価技術指針」の中で「第11 電波障害」として対象とするテレビ電波の種別(地上放送、衛星放送(BS)、通信衛星放送(CS)など全てのテレビ放送波)、電波障害の現況調査、予測、環境保全のための処置、評価について具体的に定められています。
多くの自治体では電波障害防止計画調査について、(一社)日本CATV技術協会が認定した有資格者または、有資格者が所属する調査会社が実施し、建造物によるテレビ受信障害調査報告書を提出することが定められています。
(大村市の事例)
詳しくは、該当の自治体の建築指導担当課等にお尋ねください。